ステートメント
福だるまには、願いを込めて片目を描き、願いがかなったときにもう片方を描く習わしがある。本作では、目を造形から省いた木製のだるまを二つに分け、左右を入れ替えて樹脂に固定する。
切断面は両外側へ移り、元の丸い外面が中央の樹脂を挟む。木の曲面が樹脂の内側の形を定め、樹脂が二つの木片の位置を固定する。元のだるまの姿は崩れるが、同じ木の丸みが、今度は樹脂とともに別の形をつくっている。
題名の「相依(そうえ)」は、互いとの関係によって成り立つことを指す。だるまに願いを込めるように、人は大切なものにも「こうあってほしい」という期待を重ねる。姿の変わったものを「元の姿が欠けたもの」としてだけ受け止めていないか。本作は、自分が期待していた姿ではなくなったものと、どう関わり続けるかを問う。