《法》の被覆率を15・25・40・62・95%にした理由
均等な数値より、正面と側面から段階を区別できることを優先した。2026年8月に比較した3案と、測定方法の訂正を記録する。
割合を測る対象の訂正
法の被覆率は、各像の表面全体のうち、黒い塗膜で覆う範囲の割合である。正面の画像の明るさを数える方法では木地の影や照明の違いまで黒として数えられたため、2026年8月の設計で、塗装範囲を指定するマスクを基準にする方法へ訂正した。[1]
採用した値は15・25・40・62・95%である。これらは塗装範囲を指定する設計値であり、完成した実物の塗膜を測定した結果ではない。作品写真の黒い画素の割合とも区別する。[1]
表面全体に対する黒の割合
- 1年前15%
- 1か月前25%
- 1週間前40%
- 1日前62%
- 1時間前95%
比較した3案と採用理由
両端を15%と95%に固定し、中間の3体を変えた3案を比較した。案Aは15・35・55・75・95%、案Bは15・25・40・62・95%、案Cは15・20・27・38・95%である。比較には正面と真横からの見え方を用い、案Bを採用した。[1]
| 案 | 1体目 | 2体目 | 3体目 | 4体目 | 5体目 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 15% | 35% | 55% | 75% | 95% |
| B採用 | 15% | 25% | 40% | 62% | 95% |
| C | 15% | 20% | 27% | 38% | 95% |
設計記録では、案Aは正面で区別できる段階が2つに限られ、案Cは真横で最初の4体が近く、5体目だけが離れると判断している。案Bは正面で3段階、真横で5段階を区別できると判断した。5つの数字を等間隔に並べることより、観察位置を変えたときに段階が分かることを優先している。[1]
顔から背面へ広げる設計
初期の案は鼻先からの直線距離を用いて黒を広げていた。この方法では、背面に届くまでに正面が覆われ、正面の見え方と表面全体の被覆率を両立させにくくなった。設計では、顔の方向を起点にして身体の周囲へ回り込む範囲を扱う方法へ変更している。[1]
この変更によっても、正面だけから表面全体を見られるようになるわけではない。どの面で差が現れるかという制約を残したうえで、中間3体の割合を選んだ。数値の選定と、塗膜の広げ方の選定は、関係しながらも別々の設計判断である。
時間設定と数値の関係
5体は左から、1年前、1か月前、1週間前、1日前、1時間前の同じ姿を表す。被覆率はこの順に増えるが、時間の長さを面積へ換算して決めたものではない。設計記録でも、時間から面積を算出する式は採用していない。[1][2]
割合を順に引くと増分は10・15・22・33ポイントである。この不均等な増分は、案Bを採用した結果である。時間の正確な縮尺を示す配列として扱うより、過去の5時点と、見え方の異なる5体を対応させた制作仕様として確認できる。

等間隔にしなかったことで残る差
数値を等間隔にすれば、数値の表としては規則がわかりやすくなる。しかし、塗膜は平面の帯ではなく、顔の凹凸と身体の曲面に沿って広がる。同じ面積の増分が、正面から同じ大きさの変化として見えるとは限らない。案Aを採用しなかった理由は、数値の規則と視覚的な段階が一致しなかった点にある。
採用案Bでは、正面の3段階と真横の5段階という差が残る。この差を失敗として消すのではなく、観察位置によって同じ5体を区別する条件が変わる制作仕様として扱える。割合の表だけでは見え方を代用できず、正面写真だけでは表面全体の設計値を代用できない。数値、形、観察位置を一緒に記録する必要は、この不一致から生じる。
